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(2) フィンランド利用の特徴(優位性)

 

1]ビジネス環境

現在、アジア発ロシア向けの家電製品や事務用機器の輸送では、ロッテルダムやハンブルグ等のEU北部のメインポートを経由し、フィンランドでいったん保管した後に、市況をみながらロシアに再輸送する方法が一般化している。

これは、主に次のような理由によっている。

・一般的にロシアの関税率は高いので、輸入者は一度に大量の貨物を内貨にすることは避け、マーケットニーズに合わせた分量だけを内貨にすることを好む。そのため、できるだけ隣接国に保管拠点を持ち、そこからのタイムリーなデリバリーを図ることがビジネス上の戦略となり、フィンランドが選択されやすい。

・ロシアにも保税倉庫は存在するが、税制規則が頻繁に変更されるため(例えば、関税率の変更等が急遽発生した場合)、ロシア国内で貨物を大量に保管することは、荷主にとってリスクがきわめて大きい。

・以前のココム体制のもとでは共産主義国である旧ソ連との貿易はきわめて難しかったが、フィンランドはその時代からソ連貿易の拠点としての長い歴史を有しており、豊富なノウハウを持っている。

 

フィンランド同様の地理的利便性を持つバルト諸国も、対ロシア貿易の中継・保管機能の向上を目指しているが、現状ではフィンランドが依然として対ロシア貿易の一大拠点となっている。

 

2]オペレーション

フィンランドには対ロシア貿易をターゲットとしている倉庫業者が運送業者も多数存在する。倉庫は保税倉庫としての資格を持ち、トランジット貨物のロシアヘの供給業務を行っている。

 

フィンランドからロシアヘの輸送方法としては

i. 水運+自動車(船社B/Lによる輸送)

ii. 自動車

iii. 鉄道

の3つが考えられる。

 

 

 

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