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第2節 江戸川区における保育サービスの状況

 

(1) 江戸川区における待機児童数割合および保育施設数・受託児数の変遷

表2-2-1には、1998年における待機児童数割合と保育所普及率が示されている。「待機児童数割合」とは、1998年4月から10月の待機児童数が、1998年1月時点における0〜5歳人口に対して占める割合である。一方、「保育所普及率」とは、1998年4月の保育所定員が、1998年1月時点の0〜5歳人口に対して占める割合をさす。この表からわかるように、江戸川区の待機児童数割合は、東京23区平均や東京都平均とほぼ同水準である一方、江戸川区の保育所普及率は、東京23区平均や東京都平均をはるかに下回っている。したがって、ここから、江戸川区における保育施設を通じて実施する保育サービスに限ってみた場合、施設保育への「需要」は、他の区や東京都全体の平均からみて相対的に低いと考えることができる。

 

表2-2-1 待機児童数が0〜5歳人口に占める割合と保育所定員が0〜5歳人口に占める割合(普及率)、江戸川区1998年

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(出所) 東京都(1999)『データで見る東京の保育』。

(注) 「待機児童数割合」=(待機児童数)/(1998年1月の0〜5歳人口)

「普及率」=(1998年4月定員)/(1998年1月の0〜5歳人口)

 

また図2-2-1には、1998年の東京の地域別にみた0〜5歳人口に対する待機児童数割合が示されている。この図からわかるように、待機児童数割合が比較的低い地域は、日の出町、檜原村、奥多摩町、中央区、および千代田区である。都心へ通勤する雇用者世帯を考えた場合、前者の3自治体の居住者にとって通勤時間は長く、したがって施設保育を中心とした保育サービスヘのニーズは高いといえよう。また、後者の2つの区は、昼間人口と夜間人口における大きな較差にみられるように住宅事情や住環境は決して良好とはいえず、居住者人口が減少しているため、保育サービスヘの需要自体が低下しているのではないかと推測される。

一方、江戸川区の待機児童数割合は、この図にみられるように、ほぼ平均的な水準である。しかし、通勤の便や住環境を比較した場合、同区居住者の通勤時間は日出町や檜原村や奥多摩町と比べてはるかに短く、また住環境や住宅供給条件は、都心の区に比べて良好であると考えられる。

 

 

 

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