熟年人材センター、くすのきクラブとリズム運動、くすのきカルチャー教室、さわやか相談室、熟年者激励手当を認知・利用している者の割合は区内転居者で大きく、相対的に転入者、転出者で小さかった。したがってこれらのサービス利用を促進するためには、江戸川区に新しく居住移動した者に対する重点的な情報提供(例えば江戸川区の高齢者保健福祉サービスガイドブックなどの転入時点での配布)が必要である。
公園・親水公園・緑道等、健康・文化施設については、転出者で利用した者の割合が大きく、江戸川区での居住を継続する転入者、区内転居者の割合が相対的に小さかった。これは全体として、居住移動によって公園・親水公園・緑道等、健康・文化施設の利用が減少していく可能性があることを示唆している。したがってこれらの施設を高齢者が気軽に利用できるような体制を整備していく必要がある。
第8節 健康に関連する移動理由
ここでは、健康や医療・福祉に関連する移動理由に焦点を当てた。具体的には、「自分の身体状況のため」として「病院に入院するため」、「通院のため」、「老人ホーム・老人保健施設に入所するため」、「入院・入所するほどではないが身体が弱ったため」の4カテゴリー、「配偶者の身体状況のため」として「病院に入院するため」、「通院のため」、「老人ホーム・老人保健施設に入所するため」、「入院・入所するほどではないが身体が弱ったため」の4カテゴリー、「生活環境のため」として「医療機関の利用が便利だから」「福祉サービスが充実しているから」の2カテゴリーについて分析した。
1. 主な移動理由
表3-25-1、表3-25-2に主な移動理由の回答状況を示した。いずれの者も「自分の身体状況のため」を理由としている者の割合が1〜2割で、属性との関連では、女性、後期高齢者の方がその割合が大きかった。また「配偶者の身体状況のため」、「生活環境のため」を理由としている者は非常に少数であった。したがって健康や医療・福祉に関連することを直接的な理由として居住移動している者は少ないことが示された。