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司会 そろそろお時間の方が過ぎておりますので、始めさせていただきたいと思います。皆さま、本日はお忙しい中、東京財団第24回アフタヌーン・セミナーにお集まりいただきまして、まことにありがとうございます。本日はAPA(芸術振興協会)代表でいらっしゃいます市村作知雄さんを講師にお迎えいたしまして、「新しい文化=芸術を創造するために」というテーマでお話しいただきます。

市村さんは、すでにご案内のとおり、1980年から97年まで、ダンスグループ山海塾におきまして制作に携わっていらっしゃいましたほか、東京国際舞台芸術フェスティバルの事務局長をお務めになるなど、日本における芸術文化に関わり、企画、プロデュース、制作、マネジメント等幅広くご活躍でいらっしゃいます。本日は文化政策、あるいは芸術政策という視点から、日本におけるアート、芸術文化について、その現状や課題等を交えながらお話しいただきます。

予定といたしましては、初めに40分から50分ほどご講演いただきまして、その後30分ほど質疑応答の時間をご用意させていただいておりますので、ぜひ積極的にご発言いただければと思っております。その後、別室にてコーヒーのご用意をさせていただいておりますので、ぜひそちらにもご参加いただきまして、市村さんとより深い議論をしていただければと考えております。それではよろしくお願いいたします。

 

2. 講師報告

 

市村 市村です。よろしくお願いいたします。

たまにはちょっと突っ込んだ話をした方がいいかなと思うので、きょうは割と一般的ではなく突っ込み目の話で、少し冒険なんですが、初めてする話もあります。

それで、まず今一番何がアートの最先端か、一番何が問題になっているのかというところから、少し紹介したいと思うんです。この間NPOセンターがやっているような論議で、少し芸術のことも挙がっていたようなんですが、そんなものを踏まえながら、芸術政策、文化政策というものがどういう形で考えられてきたか話したいと思います。

例えば、支援するための論理が何なのかということが、今ちょっと問題じゃないかと思います。というのは、難しいわけで、ちょうど1960年代の半ばにアメリカで相当起きたことなんですが、基本的にはすごく単純なことです。なぜ国が文化政策を実施するのかというと、「国威発揚」です。そのときには1960年代半ばですから、ベトナム戦争に突入するわけですが、その直前なんです。

 

 

 

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