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司会 お時間の方が過ぎておりますので、そろそろ始めさせていただきたいと思います。皆様、本日はお忙しい中、東京財団第22回アフタヌーン・セミナーにお集まりいただきまして、まことにありがとうございます。本日は日本貿易振興会アジア経済研究所の研究員でいらっしゃいます小田尚也さんを講師にお迎えいたしまして、さる10月12日に発生いたしましたパキスタンにおけるクーデターについて「パキスタン・クーデター'99〜政治的・経済的視点からの分析」というタイトルでお話しいただきます。

小田さんは経済成長論、公共経済論、パキスタン経済等をご専門でいらっしゃいまして、本日のセミナーでは先日のパキスタンのクーデターを経済的な観点、特にクーデターに至る経済的な背景から分析、お話をいただきたいと思っております。

お時間といたしましては、初め40分から50分お話をいただきまして、その後、ディスカッション、質疑応答の時間を設けさせていただきたいと思っておりますので、積極的にご発言いただければと思います。また、その後別室にてコーヒーのご用意をさせていただいております。是非、講師の方とより深いお話をなさりたいという方、お時間ございましたら、是非、ご出席くださいますよう、よろしくお願いいたします。それでは小田さんよろしくお願いいたします。

 

2. 講師報告

 

小田 ただいまご紹介にあずかりました、日本貿易振興会アジア経済研究所の小田と申します。きょうはよろしくお願いいたします。正直申しまして、パキスタンに関することで講演をするというのは、これが生まれて初めてでございまして、非常に緊張しております。専門は、先ほどのご紹介の中にもありましたように、経済成長とか公共経済ということで、そういった枠の中で、パキスタン経済をとらえて、研究をしております。

さて10月12日にパキスタンでクーデターが発生したわけですが、きょうのセミナーではそのクーデターの発生の原因と、それに至る背景、それからパキスタンのこれまでの50年間を振り返って、パキスタンにおける民主化がいかに困難だったかについてお話ししたいと思います。最後に今後パキスタンについて、経済面それから対インド、対アメリカ関係のお話をさせていただきます。なにとぞお手やわらかにお願いいたします。

10月12日に発生したムシャラフ陸軍参謀長による無血クーデターにより、1988年から10年間ほど続いていたパキスタンの文民政権というのは、一時機能を停止し、現在ムシャラフ氏を長とする国家安全保障委員会なる組織とその下の内閣により、民政化移行までのかじ取りが行われています。

 

 

 

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