日本財団 図書館


僕は、あの戦争が好き。好きっていうのはおかしいな。「カタロニア賛歌」か。オーエルが書いたのは。オーエルとかジードとか作家とか、文学者とか、みんな個人で参加するんですね。ファッショ政権に対して個人で参加して戦争するスペイン戦争。そのとき、「人間の尊厳のために」っていうスローガンで戦争するんです。だから、東ティモールも、やはり「人間の尊厳」ということを考えますね。

だから、日本もこれからもうちょっと、道議とか、正義。もっとも正義といったって、ニーチェが言っているように、「正義というのは、千幾つある」とかいう。民族のある数だけ正義があるということもありますが、それでもやはり、人道外交。

だれだったかな。アメリカの大統領、1人だけ言いましたよね。そういうものをもっとやるべきじゃないかと思う。これ以上の物質的な豊かさは、もうこれからは要らないんじゃないか。そう思いませんか。僕はそう思うんだけど、テーマはこれから「人間」だと思います。21世紀というのは、人間。ただ、僕はどうも昔からバッチつけるのが嫌いなものだから、絶対やらないんですが、市民運動ばかりやっています。

アメリカの学者で、「断絶の時代」を書いたドラッガーのポスト資本主義。ポスト資本主義に「峠を越えると、景色が変わる」という有名な言葉があるんですが、彼が書いているのは、アメリカで2015年ぐらいだから、国家の権力と市民の権力がだんだんイコールに近くなってくるのは、大体そのぐらいまでだろうということを言っているのですが、僕は日本はもっとかかるような気がしますね。国家の権力の方が強すぎる。だから、政治に関係しているから、今の政治は嫌で嫌でしょうがない。

また、これは話が別になるけど、早く、せめて分権すればいいんです。何も日本の首都移転はいらないんです。首都移転ではなくて、権力を分散すればいい。何でもないんですよ。そうすれば、東京へ集まらないですよ。だから、大阪の住友の本社がなぜ東京にあるか。おかしいでしょう。みんな陳情とか、請願とか国家権力に近くないと仕事にならないからです。これは全部分権してしまえばいい。

西ドイツのボンなんか小さなところでしょう。今度はベルリンに移るわけです。ボンは人口20万人ぐらい。アメリカだって、ワシントンだって小さいですよ。それで済むんです。それを早くやらないと。だから、烏も一極集中っていって、みんな東京に集まってくるんです。東京が一番食べ物が多いから、烏も一極集中。これも早くやめないと、日本はなかなかよくならないという感じがしています。大体こんなところです。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION