日本財団 図書館


司会 本日はお忙しいところ、お越しいただきありがとうございます。

ご案内のように、きょうは「中央省庁等改革問題」ということで、田中先生からお話をいただくことになっていますが、その前に一言だけお話をさせていただきたいと思います。

私どもの中央省庁等改革問題研究会は、こちらの財団からご援助いただいて研究を進めてきました。研究会の発足は、実は、たまたま半ば偶然的な要素はあるのですが、行政改革会議の事務局長をされ、かつまた、総理の補佐官をやっていた水野清先生が、ちょうど橋本内閣の辞職と同時にお辞めになった。先生のお部屋に膨大な文書がありまして、これはご存じのとおり、事務局長ですので各省いろいろご説明にあがった。ある意味では、あの文書を見ますと、行革会議が一体どういう流れの中からどういう結論といいますか、方向を出してきたのかということがよくわかります。私ども研究者にとっては、こんな貴重な、超一級の資料はないということでありまして、まずは、その資料を整理しようというところがら始まりました。単なる文書だけではなくて、実はその文書に書かれている背景とかいろいろなことがあるわけですが、その辺をむしろ当事者の方々から可能な限りお話を伺うということで、当時の関係者からいろいろとヒアリングを進めてまいりました。

橋本行革とは一体何であったのだろうか。

今までいろいろな行革があります。中曾根行革、あるいは佐藤内閣の1省庁1局削減の行革もあります。そういうものとの比較をしながら、ないしは外国の行革との絡みの中から、いわば橋本行革の特徴というものを抽出してみたいということが私たちの研究会の最大のテーマであります。

従いまして、きょう、これから申し上げることは、実はその過程の一つとして、いわば行革会議が最終報告を出した。中央省庁等改革基本法ができた。おそらく本日(平成11年6月10日)衆議院を通過すると思いますが、いわゆる各省設置法関連法案が成立する。ちょうどそんな時期に差しかかったものですから、国会での議論は議論として、私どもにとっては、今回の行革法案が一体どういう中身であり、あるいは、どういう課題をまだ残しているのか。こういうようなことをとりあえず整理しておきたいということであります。

お手元にありますように、今週の月曜日に出ました『週刊東洋経済(6月12日号)』に、わずか2ページなものですから決して十分ではないのですが、私どもの研究会の一つのスタンスといいますか、考え方というものをここに明らかにしたということであります。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION