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そこら辺にそれを言い過ぎるから個人主義が発達しすぎるという逆の面もあるけれども、やはりものを問い、考えさせるということは家庭で相当しているということがあります。

B 学校だけでなく、家庭でもね。

上野 家庭でありますね。単純なことですけれども。数日前の新聞に出ていましたけれども、日本の男親は子供に10分しかかけていないとかいう話がありました。先進諸国の中で二十何番目だとかいう話で、男の人が家族にかかわっていないということが言われますけれども、アメリカの家族はやはり家族でかかわりますね。子供の教育にね。その時間もそのために取りますね。私の家族が病気ですから休みますとか、男親が子供をオフィスに連れてきて、休ませていたりということも含めて、男親が家族と面と向かう時間というものはとても重要だと思っていますし、それを大切にしていますね。そこら辺を私は、もっとアメリカの中産階級の強さということで見る必要があると思っています。そう言うと、そうじゃないところもたくさんあるじゃないかと言われますし、一概には言えないのですが、私の見る限りではよき中産階級というものは力強く育っていると、それに子供たちにかかわっていると、家族というのはもっといろいろな意味でコミットしているという感じがすごくあります。

司会者 Cさん、いかがですか。

C 数年前からアメリカのバウチャーを配って、パロキアルスクールでもチャータースクールでも行けるようにするというのが、各州で取り上げられたと聞いているのですが、その後、やはりパブリックスクールヘの不信もあって、それは広がっているのでしょうか。

上野 広がっていますね。ステイト(州)ごとでバウチャーを始めて、パブリックスクールからよそのプライベートスクール、特にチャーチの関係する学校を選ぶということが随分多くのところでやられ始めているのですが、連邦でそれをサポートするかどうかということで今議論になっていると思います。連邦政府の政策にするかどうかということになっていると思いますが、地域によってはもう随分現実的にやられています。ただ、実際に実施するのはカウンティ(郡)レベルですね。ただ、それはやはり一つの問題で、アメリカのパブリックスクールの、特に都心部にあるパブリックスクールは、やはり州税と地方税で教育がやられているわけで、そこでうまくお金が入ってこない都心部のパブリックスクールというのはクオリティーに問題がでてきます。

 

 

 

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