司会者 例えばスウェーデンで高齢者医療と介護を地方に丸投げして、その地方がある程度人口がまとまると、インセンティブが何かあるような……。
A いや、何もないです。要するに、課税は自由ですから。だから、自分でどうぞ税金を取って勝手にやってくださいよと。結局、日本で地方に回したって交付税が増えるだけですからね。何の意味もないわけですね。
鈴木 競争が起きたんですか。つまり、税金が高ければみんな逃げ出す。介護サービスがよければ寄ってくる。そのバランスの。
A 結局、国家でバランスをとっているわけです。やっぱり、隣の町よりは上げれないという。結局、今の地方の問題というは税制がむちゃくちゃなんですね。つまり、地方公共団体の税収の大半が事業所関係から取っていることと、それからもう1つは、所得税に控除があるんです。だから格差ができてしまう。そんなに所得格差が全国であるわけないんですよ。だから控除をゼロにして、税率をそれにダイレクトに掛ければ……。
B 所得税の控除って?
A 控除がないんですよ。例えば基礎控除とか。
B 何の所得税ですか。
A 住民税の控除がないんですよ。だから、扶養控除とかそういうたぐいの控除です。要するに、完全に応益課税なんですね。地方公共団体というのは、サービスする機関ですからね。料金を払うのと一緒ですからね。所得能力は関係ないんですよ。
B そのことが格差を大きくしている……。
A 例えば、所得が倍の格差があるとしますでしょう。控除があって立ち上がるわけだから、半分になると、4分の1とか5分の1になってしまうわけですよ。だから、根っこから課税していったら半分にしかならないものが、控除があるために4分の1になってしまう。
司会者 地方の税制は税金で取ったという話で、具体的には何税で取ったんですか。
A 住民・所得税。
司会者 消費税じゃなくて。
B 税収格差はあるということですか。