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港湾投資の費用対効果分析の実施

近年、利用効率の低い港湾への投資が指摘され、公共投資の効率性改善への要請が高まっている。これを受けて、投資によって生じる効果を事前に評価し、投資と効果の明示化によって投資効率の面から事業採択の基準づくりが、港湾をはじめ、あらゆる交通施設など社会資本整備担当官庁で議論されている。すなわち、費用対効果分析による事業評価方法が運輸省、建設省を中心にマニュアルとして確立されている。港湾を対象とした事業対効果分析マニュアルでは、港湾事業を26の事業に分け、それぞれにおいての便益計測方法、評価方法を記述している。また、過去の事業を再評価する動きも進められており、投資効果の低い事業は、場合によっては事業を中止または延期することも検討中である。

 

港湾の国際競争力の強化

経済社会のグローバル化の進展に伴い、国際物流部門の役割はより重要となってきている。特に国際物流の大きなシェアとなるコンテナ輸送においては、海運事業者のコンソーシアム再編など、より競争力強化の方向へ向かっている。その中で北米・欧州航路の再編・船舶大型化に対応することは、港湾輸送の競争力向上のためには必要不可欠となっている。近隣アジア諸国の主要港においても大水深コンテナターミナル整備が積極的に進められている。我が国では中枢国際港湾における大水深ターミナルの整備を推進しており、スケールメリットの享受等による物流コストの削減、すなわち輸送における国際競争力の強化を図っている。効率的な港湾物流を支えるための施策であるコンテナターミナルの高度化、施設使用料の抑制や別項で示す入出港関連の手続きの簡素化、港湾物流に関する情報化・EDI化等も強化策の一部といえる。

 

 

 

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