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何を言いたかったのかわからなくなりましたが、そういう立場にいます。先生のような方のお話、お忙しいでしょうけれども、ビデオがだめならまた来ていただいて、お話ししてくださるといいなと思ったりしているところです。

大野 参考になるかわからないですが、さっきのアメリカでの話というのは、われわれのバックアップになると思います。もう一つは、道路の問題や鉄道の問題については、アメリカは自動車の国です。でも1960年代の初めに、その反省があるわけです。酸性雨を降らせると……。

そこで新しい交通システムを考えようといったのが1965年です。そして、その完成を見たのが1972年に、BARTという新交通システムです。東京はいまできましたが、ゆりかもめですね。バートであって、バードではありません。でも似ているでしょう。BART、Bay Area Rapid Transitです。

これはどういうことかというと、彼らは1940年代に長大橋を全部つくったんです。

環境が問題視された1960年代以降は、橋を使って都心に侵入する車は全部有料です。都心から出て来る車は皆無料です。排ガスを減らすということです。そして、今度彼らがやったのは、もう橋の時代ではないと、全部トンネルです。車ではなく地下鉄を通した。1970年代の初めに、彼らは無人、無改札というのをやった。だから、日本は相当遅れていることをやっている。

横断道路もそうでしょう。1990年代に東京湾横断道路ができた。島をつくってトンネルで、車を通して、橋をつくってということをやりました。皆そういうことを知っていれば、ちょっとおかしいなと思う。同じことはするわけです。交通をよくしようと、三番瀬に道路を通すときには当然トンネルでなければまずい。そういう知識を得るということは、エゴではなく、それを強く主張できるということです。これが道としては正しいのだという言い方をしていかなければなりません。

司会 それでは、もうひとかたどうぞ。

質問 こういう運動をなさっていらっしゃるとお詳しいのではないかと思いまして、ご存じでしたら教えていただきたい。

私どもが子供のころ、戦争中でしたが、『ある日の干潟』という岩波かどこかの映画がありました。それは科学映画で大変有名になったのですが、朝日が出てきますと、海の中からカニが目玉を出して、それがだんだん上へ上ってくるとか、ハゼが寄ってくるとか、自然の非常にいい映画でした。これは非常に努力して撮ったものだそうですが、そういう映画がありました。

 

 

 

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