野崎 そのバーベキュー云々というのはちょっと聞いていないのですが、あの船は37年の船艇です。元オランダの古い豪華客船です。エンジンルーム火災で沈んだそのものは、ちょっと私のほうも原因がわからないです。私がわからないと言うよりは皆がわからない。
イギリスのロイドの新聞を見る限りは、お客様へのエバキュエーション、脱出はうまくいっていた。事実、乗組員、お客さんは一切怪我はなし、ロスなしで逃げています。あれだけの数の人たちを一切怪我なしで下ろしているのはたいへんなことだと思います。だから私はいろいろな方法や、どのようになったかはまったく知りませんが、結果だけ見て、1000人を超す人間が洋上で怪我もなく、無事に全員が下りていたのは、たいへん船のほうの処置もうまくいっていたのではないかと思います。
先ほど“タイタニック”のときも申し上げましたように、あの船と比べて、いろいろなことを考えられる方もいらっしゃると思うのですが、まったくあれはエバキュエーションがスムースにいくようなシステムが出来上がっていたのだと思います。
ただ船長がお客様をデッキに集めるときに、どのように集めたのか。それについては一切聞いていませんので、私はコメントできません。結果からすれば、私たちプロが考えても、マラッカは静かといいながら洋上であれだけの多数のお客様を、乗組員と同時に全員セーフで下ろしたのは立派だったと思っています。よろしいでしょうか。
司会 短い時間でしたが、キャプテンのお話を楽しんでいただけたと思います。なお “飛鳥”は先ほど船長がお話ししていましたが、いまハワイのクルーズに行っています。私が調べましたら7月16日にまた東京に帰ってきます。船内は乗船できませんが、外から見たいというお客様がいらっしゃいましたら、7月16日の金曜日の夕方の4時に晴海に帰ってまいりますので、ぜひご覧になっていただけたらと思います。
それではキャプテン、どうもありがとうございました。皆さん、どうぞ大きな拍手でお送りください。どうもありがとうございました。(拍手)
皆様、どうもありがとうございました。皆様にお渡ししました資料のいちばん最後のページにもありますように、あと5回「海と船の環境を考える」ということで、さまざまな方にお話ししていただく予定になっています。どうぞ、この機会にお葉書で申し込んでいただきたいと思います。