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これを出ると東京の羽田の沖から、最近できた東京湾横断道路、むこうに“うみほたる”があります。伺うところによると、あれもきれいな客船をイメージしてありますが、そのイメージの中に若干“飛鳥”をイメージしていただいたという話を聞いています。そう言われてひいき目に見ますと“飛鳥”に似ているような気がします。遠くから見ると実に客船が走っているように見える非常にいいデザインです。

その反対側の川崎に人工塔があり、あれは通風塔なのですが、あそこをどのように処理するのかと思っていたら、いまは実に見事にヨットのセールになっています。特にヨットのお好きな方はご存じかと思いますが、ヨットのセールの中でも追い風で走るスピネーカーという大きなセールをイメージしていて、青と白で色分けしてあります。

事実、東京港によく入ってくるドイツやイギリスのコンテナ船の船長も「初めは俺もびっくりした。東京湾にあんなでかいヨットが走っているとは思わなかった。それにしてもいいセンスをしている」。これはヨットの好きな人間の意見ですが、とにかく非常にきれいにデザインされているエリアです。

先ほど清水さんからお話がありましたように、私は“飛鳥”の第4回目の世界一周を6月8日に終了し、下船してきました。下船してきたと言うと、いま“飛鳥”はだれが乗っているのかとなりますが、“飛鳥”には二人の船長が乗っていて、代わりばんこに乗船勤務しています。いまはもう一人の船長が、ちょうど今日あたりはハワイのヒロに入港しているところです。今回初めてミッドウェイに寄る航海に行っており、今月の中旬以降に東京港に帰って来ると思います。ということで私はいま休暇中で、もう一人が操縦しています。

自己紹介から始めなければいけないのですが、もうすでにプロフィールに書いてありますので、それをご覧になっていただければと思いますが、1990年に“咸臨丸”という船を受け取りにオランダのロッテルダムまで行ってきました。“咸臨丸”はつい最近では東京港に帆船パレードに来ていたと伺っていますが、通常は長崎のハウステンボスに係留してします。横浜港には毎年夏に出かけてくるようですが、あの船は610トンでオリジナルの“咸臨丸”が450トンぐらいですから、少し大きくなりました。

少し大きくなった理由は、日本に持ってきてお客様を乗せて客船として運行するために運輸省の検査を受けなければいけないのですが、運輸省がいろいろな検査をして「お客様の安全のためにこうしなさい」という設備をつけて直していったら少しずつ広がってきて、610トンでできあがった。今日は“咸臨丸”の話をするのが趣旨ではありません。この話をすると何時間もかかるおもしろい話なのですが、今日は割愛させていただきます。

 

 

 

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