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図2 英国での合計特殊出生率(TFR)

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一方、就業年齢人口(現在は男性16-64歳、女性16-59歳)についてみると、現在の3,600万人が2021年には3,770万人に4.7%増加するが、2010年から2020年にかけて女性の年金開始年齢が現在の60歳から65歳に繰り延べられるため、それを勘案すると就業年齢人口は3,920万人にまで増加する(約9%増)。

平均寿命は1996年時点で男性74.3歳、女性79.5歳である。長期推計によれば、2021年には男性が77.9歳、女性が82.6歳となり、さらに21世紀の中頃にはそれぞれ男性79.1歳、女性83.8歳となる。また、英国での合計特殊出生率(Total Fertility Rate)の推移をみてみると、1951年のほぼ2.2が1960年代の中頃に3近くまで増え、以後減少して1970年代後半から1.8前前後で推移している。長期推計でも今後1.8くらいで推移するものと予想されている(図2)。

 

3 高齢者の生活状況

 

1) 高齢者世帯の動向

欧州諸国では高齢の単独世帯が増えているが、英国でもとくに女性の独り暮らしが顕著になっている。1996年度でみると、65歳以上では男性のほぼ4人に1人、女性の2人に1人が単独世帯で、85歳以上では男性で2人に1人、女性では約7割となる(表3)。このように独り暮らし(とくに女性)が多いのは、英国では世代間同居がほとんどないこと、女性が男性よりも長寿なこと、離婚が増えていること、男性に再婚が多いこと、といった理由が影響している。例えば婚姻状況についてみると、70〜79歳層では男性の7割、女性の4割が婚姻中で、80歳以上になると男性の5割に対し、女性はわずか16%となる(1997年)。

 

 

 

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