一人暮らし者は3分の2、配偶者と生活する者は半数、家族と同居する者は4割がプロの援助を受けている。
プロによる援助時間は、要介護度に比例して多くなるが、必ずしも要介護度が高くなるほど多くなるわけではない。要介護度が低い高齢者も家事などの面で、かなり援助を受けているからである。しかし重度の要介護者は、プロの援助を受ける割合が最も高い。プロの援助を最も受けないのは、外出する時に援助が必要なレベルの軽度障害者である。
さらにプロの援助を受けるか否かは、男女差および社会階層が大きく関係している。女性はプロの援助を受ける割合が高い(男性では4割であるが、女性は6割)。また学齢にも関係している。プロの援助を受けている高齢者の割合は、初等教育以上の学歴がある者は約3分の2、初等教育を終了しなかった者は半数以下となっている。また要介護者が居住している地方によっても差が現れている。プロの援助を受けている割合は、パリ首都圏と西部が最も高く(60%)、東部と北部が低くなっている(35〜40%)。
非プロ(家族、近所の人など)の援助を受ける割合も、要介護度に比例している。しかしプロの援助の場合とは逆に、学齢が低くなるほど高く、プロの援助を受ける割合が低い地域で高くなっている。
プロの援助を受けるか身内の援助を受けるかは、要介護者が必要とする援助の内容、本人や身内の希望の影響が大きいといえる。プロの援助を受けることと所得の間に関連があるとする統計はない。ただしアンケート回答には、有料の援助を受けない理由として費用の問題が見られる。無料の援助しか受けていない要介護高齢者の場合は、プロの援助を得ない理由として、プロに払う費用は家計には高すぎること(62%)、知っている人しか信頼できないこと(42%)を挙げている。
プロのヘルパーの料金は1時間につき平均30〜35フランとなっている。要介護者が援助を受けるための支出平均は、1週間当たり85フラン前後である。しかし半分は無料で受けた援助であるため、ヘルパー費を払っている者の支出平均は1週間で175フランとなる。支出費用には要介護度による差はみられない。ヘルパーの時給平均料金と支払い合計金額は、要介護者の所得額が高いほど大きくなっている。最も裕福な階級では、援助の時間が長いわけではないにも係わらず、援助に対する支出が最も高くなっている。裕福な階級では、補助金付きのヘルパー(社会扶助あるいは老齢保険)は使えないこと、身内に援助してもらう場合にもアルバイト料を払っていることが理由である。