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そして、日本と同様に、韓国の高齢化社会は農村地域で過疎化とともに進行している。しかし今後21世紀においては、農村部にも若い人口は少なくなり、都市に流入する人口も減少し、少子化の進行に伴い都市も高齢化が進行する。すでに1990年以降、ソウル、大邱等の大都市においても人口の高齢化は進行しつつある。」(崔仁鉉博士)

 

表3 地域別にみた60歳以上高齢者の割合とその指標

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資料:統計庁「1990年・1995年人口住宅総調査」

 

2. ソウル、大邱等大都市の人口高齢化

1995年現在、韓国の都市(洞)、農村(邑、面)別に見た人口の高齢化には驚くほど大きな違いがある。その中でソウルは最も人口の若い地域であり、市の総人口約1,022万のうち老年人口は約29.5万で老年人口割合(高齢化率)は僅か2.88%に過ぎない。また、ソウルをとり囲む周辺地域(ソウル首都圏)にも1,000万に近い人口が住んでいるが、この周辺地域も1980年以降に若い人口の流入で発展したことから若い人口構成となっている。

韓国の都市高齢化モデルとして後述する、韓国第3の大都市である大邱市について見ると、その人口は、1995年約245万で、高齢化率は4.55%であったが、大邱市の場合は大邱周辺地域の高齢化が進んでいることもあり、1998年の高齢化率は5.3%と上昇している。そして大邱市の人口構造と少子化の状況からみても、その高齢化は今後急速に進行すると予測されている。

 

表4 地域別高齢住宅と割合(1995年)

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資料:統計庁「韓国統計年鑑 1997年」

 

 

 

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