日本財団 図書館


第3部 韓国・大邱の高齢者事情

 

I 韓国の人口高齢化

 

1. 韓国の人口高齢化

韓国の人口構造は東アジア各国の中では最も若く、1970年代までは老年人口割合(高齢化率)も3%台で安定していた。しかし、1980年代に入り、少産少死時代を迎え、人口転換を見てからは、少子化の進展とともに人口の高齢化が進行している。

韓国統計庁の統計によると、1998年末の韓国の総人口は約4,643万、そのうち65歳以上の老年人口は約305万で、総人口の約6.6%となっている。そして、同庁の推計によれば、2000年には7.13%に達して高齢化社会に突入し、その22年後の2022年には14.3%となり、高齢社会を迎える。このような高齢化進行の速さは、世界に比類のないといわれている日本の高齢化速度を上回るものとなる。こうした韓国人口の高齢化の要因は、少子化と寿命の伸長によることは言うまでもない。

韓国の出生率は、1958〜62年のベビーブームに対し、1960年代から推進された家族計画の普及によって、1960年の合計特殊出生率6であったものが、70年代には半減し、80年代に入ると人口置き換え水準である2.1にまで低下した。1980年代前半に韓国人口はいわゆる人口転換を見たが、出生率はそれとともにさらに低下し、1985年には1.7を、1990年頃には1.6台を記録している。そして1995年現在は1.74となっている。

また、死亡率は、1970年代後半には7を切る状況となり、1990年代に入ると5台と極めて低い水準になり、21世紀に入るまでこの水準がつづくと予測されている。

そして、平均寿命は1960年代に人生50年時代を終え、以降年々伸長を続けており、1995年には男性70歳、女性77.4歳となり、この35年間に20歳以上の寿命の伸長をみたことになる。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION