資料:行政院主計処「台湾地区老人状況調査報告」1994年。
3. 高齢者の経済状況
台湾の家計調査によると、1985年の高齢者世帯の収入は全世帯平均収入の48%となっており、1970年代には6掛けといわれていたものが、その後の経済成長期に、若い世代の収入年平均増加率5.2%に追い付かず、格差が拡がったといわれている。したがって高齢者の生活は苦しく、高齢者の約半数は子供からの仕送りを受けている。子供からの仕送りは年とともに減ってはいるものの、依然として高齢者一般の重要な収入源であり、教育程度の低い高齢者ほど子供への依存度は高い。この状況は韓国と類似している。
行政院内政部が1996年に行った「老人状況調査」を見ても、高齢者の生活費の主な出所は、子供からのものが多い。退職金等を持つ者が最も多い台北市でも、約3分の1の高齢者は子供からの支援に頼っている。
台湾では県市政府が中低所得者に対し、その地域の生活状況に応じて補助金を支給している。台北市の場合は市民の所得水準も高いため、毎月5,000元を支給しているが、年々高齢者の受給者は増えている。