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「宮古市老人保健福祉計画・介護保険事業計画(案)中間まとめ」によると二〇〇〇年度に見込まれるホームヘルプサービス利用者は週五二〇人。東を宮古湾、背後を北上山地に挟まれた市場で六つの団体・企業が"顧客"を取り合うことになる。利用者は自由に事業者を選んで契約できるようになる。その結果、社協が赤字になっても市は援助しない。措置制度の撤廃とはこういうことである。

このため宮古市社協は1]常勤ヘルパーの訪問回数を一日二回から同じく五回に増やすなどして事業量を増やす、2]常勤職員数を減らして臨時職員・パート比率を上げ人件費を削減、3]昇格試験による職員間の競争意識を高めるなどによって生き残りを図る。

 

保険料は三一一五円

 

宮古市社協は介護支援センターやケアマネージャー部門を強化し、要介護認定の訪問調査やケアプランを作るときに市民が社協の介護サービスを買ってくれるよう営業に力を入れている。「経営効率を上げねば市役所には戻れません」。市から社協に出向している担当職員は真剣な表情だ。

やはり宮古市社協が実施している宮古市独自の介護サービスである「サテライトデイサービス」も経営効率化の一環だ。デイサービス(送迎付きの日帰り介護)は寝たきり予防などに役立つ在宅サービスだが、中心市街地から遠い山間地や対岸に伸びる半島の集落までは自動車で片道二五分から四五分もかかる。そこで集落の公民館などに地域のお年寄りに集まってもらい、そこに総合福祉センターの職員が出張してお年寄りのお世話をする。デイサービスの"出前"だ。

 

 

 

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