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喜・涙・笑 ふれあい 活動奮戦記

 

支え合う地域づくりに向けて多様な市民活動を展開していきたい

特定非営利活動法人エフ・エー(大阪府)

 

「この活動をはじめてよかったと思うのは、社会とのかかわりを持って視野が広がったことですね。たとえば、湯船の高さを一人では越えられない、こけるのが怖いといった理由からお風呂にすら長い間入っていない、あるいはゴミの中に埋もれるような暮らしをしている独居老人が地域にたくさんいるなんて、想像だにしていなかった。また、がんの末期患者のターミナルケアにかかわる機会もあったんですが、こういう事例を見聞きすると、改めて自分の老後についても考えざるを得ないじゃないですか。その上、こうした直接的な助け合いとは別に、助成金をもらうために企業を訪問したり、議員さんに陳情しに行ったりもしていますから、とても主婦をしていたら経験できなかったことも経験でき、いろんな得難い出会いもある。もちろん事務局としての苦労は絶えませんが、その分を差し引いてもおつりが来るくらい、毎日が新鮮ですね」

 

活動のやりがいについて、キビキビとした口調でこう語るのは、『エフ・エー』(通称FA)の理事として、コーディネーターを務める長福洋子さん。こう話している間にも次から次へと電話が入り、ヘルパーさんたちが絶え間なく訪れるなど、事務所は活気にあふれていた。

 

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商店街の一角にある事務所。

 

やるからには、地域社会の中心的な存在になろう!

 

「年を取っても住み慣れた地域で心豊かに暮らしたい」との思いを持った女性九人が集まり、『FA』の前身である『ふれあい あべの』を発足させたのは、一九九五年五月のこと。

 

 

 

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