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今、都では、「心の東京革命」というのを進めています。次代を担う子供たちに親と大人が責任を持って倫理観や思いやりの心を育み、生きていく上で最低限必要な社会的ルールをきちっと教えていく。

堀田 検事時代の経験ですが、今の四〇歳代中頃より若い人、特に男性検事はなかなか自分の意見を言わない。上司のひと言でコロッと変わるんですよ。これ、○×教育、偏差値教育の弊害ですね。上司の答えが最大の関心事でそれに合うか合わないかだけを考える。いかに自分で考えさせるか、それが教育の最も大事なことなんですよ。

 

地域と連携した総合的な人間教育

 

杉浦 新しい教育課程の目標もそうですね。「自ら考え、判断し、行動する子供を育てる」と。

堀田 そうです。今回導人される総合的学習は、テーマも取り組む方法も結論も全部自分たちで考えなさいという精神です。これは他のすべての科目にもいえることですね。マニュアル人間ばかり育てておいて、「これからは多様で柔軟な人間が必要です」と言ったって無理ですよ。だから日本の経済もなかなか前に進まない。教育が日本の経済の足を引っ張る、そういうことになりかねない。

杉浦 教育長さん、いかがですか?

 

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中島 おっしゃる通りですね。実はこの十一月を「トライ・アンド・チャレンジふれあい月間」と定めて、都内の全公立小・中学校にお願いしているんですが、これはまさに、自分で考え最後までやり遂げるという取り組みです。子供は自由な発想の中からどんどん吸収していくんですね。

 

 

 

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