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中熊靖さん。京大法学部を卒業して、一九六三年、大阪ガス株式会社に入社。十数年を経て、近畿圏でファミリーレストランを経営する会社に出向、ここで九年間、四〇歳代半ばまで夢中で働き、サービス業の真髄を学んだ。そして転機を迎え起業に目覚める。八八年、大阪市に株式会社アクティブライフを設立、代表取締役専務となり、九九年六月、同社を辞め介護サービスのコンサルタントになる。この間に健常型と介護専用型の二つの有料老人ホームを設立。さらに痴呆性老人のためのデイサービス施設をオープンして、痴呆対応型グループホーム運営の草分け的存在といわれている。

 

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民家をバリアフリー化したデイサービス施設、中町倶楽部の前に立つ中熊靖さん。

 

介護保険の将来を支える営利法人とNPO

 

中熊さんは言う。「民間の営利法人が介護保険事業に参入することは介護の質を向上させ、供給を増やす上で役立つだけでなく、運営の硬直化した自治体や社協など公的機関の活性化にも役立つ。介護保険の将来を支えるのは、良質な民間(営利法人やNPO)である」

中熊靖さんの話を聞いたのは九九年十一月下旬。ちょうどこの時期、政界では自民、自由、公明の与党三党が、介護保険制度は四月から発足させるものの、六五歳以上の保険料については導入後、半年間徴収を見合わせ、一年間は半額にするなどの見直し論や、介護保険のサービスを受けずに同居のお年寄りを介護する家族への「慰労金」支給論が出はじめていた。この動きの背景には、自由、公明を中心とした「税方式」を意図する介護保険見直し論がある。

 

 

 

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