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飯田さんも東京・北区から武蔵野市に嫁いできてから"市民社会"の洗礼を受け、学童保育立ち上げなどを皮切りに、青少年健全育成委員、農村セカンドスクール活動など四〇年間もボランティアとしてコミュニティ活動に取り組んできた。アイデアマンの市長が「共助」の号令をかけ、市職員が立派な制度を組み立てても「長い歴史と層の厚いボランティア」(市発行のパンフレット)の「武蔵野の豊かな土壌」なしには「テンミリオンハウス」はできなかっただろう。

 

会社人間から足を洗って…

 

問題は、第二、第三、第四の"川路さんち"が市長の公約どおりに店開きできるかどうかである。テンミリオンハウス事業の公募に応じる団体、企業などは三〇件を超える。そのうち約半数はNPO法人ないし法人化を準備中の団体。市の狙いどおり会社人間から足を洗ってテンミリオンハウスをつくろうと準備をはじめた定年退職者、すでに自宅で宅老所を開いているサラリーマンもいる。市外から進出する動きもある。人口密集地だけに介護事業の経営効率がいいとあってか大企業や全国組織を持つ非営利団体も名乗りを上げた。

市は十一月末に公募を締め切った。十二月に補助金対象事業を決定、二〇〇〇年一月中旬には新たなテンミリオンハウスが誕生する段取りになっている。事業者は市内外から事欠かないようだが、「共助」という理念を貫くためにはハウス周辺地域にどれだけボランティアのマンパワーを確保できるかどうかがスタートアップの鍵になる。

 

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洋間にも和風なしつらいでお年寄りがくつろげる「川路さんち」。

 

 

 

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