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石川 生命倫理の問題はぼくはほとんど専門外ですからまったくわからないですけどね、確かに誤るととんでもないことになりますよ。今のようにだんだんと生命科学が発展していくと、人間の持つ神秘性がどんどん明らかにされてくるわけです。どこまでも明らかになったほうがいいのか、あるいは明らかでないところがあったほうがいいのか。クローンなども含めて生命科学はどこまで進歩すべきか、正直なところまだちょっとわからないですね。

 

●クローン…clone。遺伝子的に全く同じ生物の集団をクローンという。九七年に発表された英国のクローン羊ドリーは体細胞クローンとして哺乳類では初めての誕生。畜産への応用から人間の老化、がん研究などにも期待される一方で、クローン人間の誕生にもつながる技術は各国で大きな論議を呼んでいる。

 

堀田 私は素人の分野で何でも発言するんですが、クローンが人の領域にまで入り込むのは絶対いけないと思うのです。遺伝子操作も本当に不幸な状態などを仮に除けるのなら限定してやむを得ないかなと思いますが、それ以外は絶対にさわってはいけない。なぜなら、結局人間というのは、それぞれが違うところに絶対の意味があるということですね。それを踏まえずに、その時々のいろいろな基準で人間を変えだしますと、最後はアリのようになってしまうのかなと。本当につまらない、愚かなことになってしまわないかと危惧しているんです。

石川 人間というのは自然の中に生きているわけですから、人為的に人間が別に作られたらどうなるのか、ということです。いったいそういう人は家族を形成できるんですかね。戦争のためにどんどんクローンで兵隊をつくればいいなんてことになったら本当に困ってしまうんですよ。ゲノムなども判明してきますと、本当に操作しはじめないか。つまり心配はそこなんです。科学者っていうのは放っておけばどんどん解明していきますよ。その時々にどう良識を持って他の人間がチェックできるか、あるいは科学者自身もそれをチェックできるか。そのためにもしっかりとした価値観、秩序づくりが必要だろうと思いますよ。

 

 

 

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