ところが、助け合い活動は違った。お年寄りの家などに行くと、玄関先で待っていてくれるほど楽しみにしてくれているし、保育園のお迎えに行けば三歳児が、“富田のおばちゃ〜ん”と駆け寄ってくる。そこは、“求められる世界”だったのである。
「専業主婦って求められたり、感謝されたりすることがまったくといっていいほどありませんから、“私を待ってくれている人がいる”ということが、本当に新鮮だったし、大きな喜びになりました。で、すっかり、はまってしまった。私が長い間、求めてやまなかった生きがいは、思わぬところに落ちていたんです(笑)。さらに、信頼できる仲間までできるという、うれしいおまけ付き。以前、足を悪くして歩けなくなったときに心配して訪ねて来てくれた人は、“今日はサービスじゃなくて、友達としてきたんだからね”と言って、散らかっていた部屋の掃除までしてくれました。ああ、こういう仲間がいれば老後は安心だなと、つくづく思いましたね」