日本財団 図書館


行動を起こさなければ何もはじまらない。結果は後から付いてくる、が信条

 

障害を持つ子供を授かったことから、福祉に関心を抱くようになった阿部さんが、『たすけ愛 京築』の前身となる『京築たすけあい』を発足させたのは、一九九五年二月のこと。

「障害児を持つ親は、誰しも自分たちに何かがあったら、誰が子供の面倒は見てくれるのかという、漠然とした不安を持っているもの。それだけに、困ったときに助け合うような組織があったらと思っていたところ、新聞で北九州地区を中心に活動を展開している在宅福祉サービス団体の『あいの会』のことを知りましてね。連絡を取って訪ねて行ったところ、"行橋地区でも団体を立ち上げてみたら"と勧められ、地元で活動をしたいと考えていた『あいの会』の会員を紹介いただいて、団体を設立することにしたんです」

当時の阿部さんはまだ二七歳。若さゆえの情熱で、「これはいい」と思ったら、まだ、システムも固まっていないうちから、活動を開始してしまったというから、その行動力には脱帽する。

「とにかく、動いてみないことには何もはじまらない。結果は後から付いてくるというのが私の信条。メンバーからは常々、"まったく、夢ばっかり見て"と呆れられてますけどね(笑)」

だが、その行動力が功を奏することも少なくないようだ。会では、つい先日、念願だった移送用車両を手に入れたが、これも阿部さんが、知り合いの救急隊員の方から、「救急車の廃車なら払い下げてもらえるよ」との情報を入手し、遠賀消防署から手に入れたもの。「排気量は三〇〇〇ccもあるし、緊急車両として使っていたくらいですから、手入れは行き届いていて状態も良好。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION