普段着の近隣型助け合い講座 No.6
「わかるふくしネットワーク」主宰
木原孝久
地域での助け合いを「活動グループ」が仲介
有償の在宅サービス活動が広がりはじめたころ、関係者の間でよく話題に上る、横浜市緑区の『グループたすけあい』を訪れたことがあります。リーダーの清水雅子さんが応対してくれたのですが、その自信に満ちた態度と語り口、まさに「事業家」といった風情で、つくづく女性の時代が来たんだなと実感したものです。
冒頭、ちょっといじわるをしてみようと、「『たすけあい』と名が付いていますが、清水さん自身は仲間に助けてもらったことはあるんですか?」と聞いてみました。すると、「それはそうよ」とあっさり肯定されて、拍子抜け。彼女のグループでは「役員たちは率先して助けられること」という不文律があるのだと!「ウーン」と私はうなってしまいました。「このグループは本物だ」と認めざるを得ませんでした。
見せられた、会の綱領のようなものに「地域づくり」という言葉が入っていました。わかるようでわからないこの言葉の意味を問うと、こんなケースで例示してくれました。
Hさんから事務局に電話が入る。友人のMさんが亡くなり、子供三人を抱えてご主人が困っている。「せめて夕食を作ってもらえると、何とか親子四人で生きていけるのだが…」と。そこで週五日の夕食作りと洗濯物の取り込み、週一回の床掃除を決める。