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介護労働者の職場を守る

 

「介護の社会化」が徹底しているからこそ、介護者の労働環境を守るという発想が出てくる。加えて、無償で自発性に頼るボランティア活動とは分野もきちんと区別している。

高齢者連盟コペンハーゲン地区のリーダーを一〇年続けるグォリー・ゴッドウィンさん(七五)は、「高齢者の絶対数が増えてきたので、こうした活動がますます重要になってくるはず」と、年を感じさせぬエネルギッシュな口調で話す。

男性の入会が増えてきたのも最近の動きだ。

「でも、先日テスト派遣した男性は、訪問先で女性から食事を作ってもらったので、すぐに辞めてもらいました。愛情に飢えていたのでしょうが、ボランティアとしては失格です」

もうひとつ全国的なボランティア団体には赤十字がある。活動歴では先輩になるが、高齢者連盟のような活発な広報・宣伝活動をしていないので知る人ぞ知るという程度だ。入院患者への訪問が在宅高齢者に広がったもので、約七〇〇〇人が活動中という。「訪問の友」と呼ばれる。

 

ボランティアの交通費などに補助金

 

コペンハーゲン市内の五階建てアパートの最上階に一人で住むドラ・ラスムスンさん(八五)の部屋にはマリアン・ラウツスンさん(五五)が毎週火曜日に通う。軽い脳こうそくで、白内障気味のラスムスンさん。

 

 

 

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