島へ―最後の仮設暮らし
神戸の中心地、繁華街といえば三宮。震災後、嫌というほどくり返し放映された横倒しのビル、人々がなぜか右往左往していた廃虚の街の面影は、もう見られない。
三宮は現在も盛り場の中心といっていいだろう。三宮から南へ、神戸大橋を渡って人工島ポートアイランド(通称ポーアイ)に入るには、モノレールのポートライナーを利用するかタクシーしかなかったが、関西空港ができてからは、空港行きのバスの便が利用できるようになった。
四月の末、桜が散った後にポーアイ第六仮設住宅を訪問した。ミニコープという小さな生協の店はすでに閉まっていた。ほとんどの入居者は退去してプロパンガスの管が引き抜いてある。車が目立った。