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伊丹 人生の困難をどう乗り越えて、死の恐怖とどう闘ったか、どんな生きがいに取り組んでいるか。まだ若くて元気な学生も真剣に死とはどういうことか、今日一日生きるとはどういうことかを考える機会になるわけです。

堀田 学生たちの反応はどうでした ?

伊丹 担当の先生がレポートを見て驚いていました。われわれの講義じゃとてもこんな真剣なレポートは得られませんと。初めてそういうことを聞いたという声が多かったですね。話した本人にとっても、こうした活動を通じて、改めて社会に役立つということが実感できて、生きている手応えを得られます。よく心理学でヘルパーセラピーというのがあって、人を助ける行動、それが自分の治療になっているというもの。ボランティア活動もそんな効果を持っているんですね。

堀田 大変に勇気づけられるお話をいろいろとありがとうございました。最後にひとつ、伺いたいんですが、野球の応援観戦の調査結果で、ひいきのチームが負けてもキラー細胞は強くなるとか。

伊丹 ええ、これも事前の予想とは違って、勝ったほうだけでなく負けたチームを応援した人もほとんどの方、キラー細胞が強くなったんですよ。

堀田 じゃあ、そんなにびくびくしなくてもいいんでしょうか(笑)。私なんか某チームが負けてると恐いので、翌朝は新聞のスポーツ面をちょっとだけ開いて、一番上のほうにないとパッと伏せる。ですからその日は他のスポーツの結果もわからなくて(笑)。

伊丹 それはそれは(笑)。勝っても負けても、おそらくある時間集中して熱心に応援するという行動がキラー細胞にいい影響を与えたと考えられます。試合経過にもよるのかもしれませんが。

堀田 今年は関西の人のキラー細胞は相当強いでしょうね(笑)。

伊丹 そう思います(笑)。

 

 

 

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