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各県で三〜五市区町村からホームヘルプサービス事業を受託したのち二〇〇一年度以降にはデイサービス、ショートステイ、在宅介護支援センター事業にまで拡大し、それぞれ指定業者として市区町村から事業を受託する中・長期計画も策定している。

 

ヘルパー養成講座を実施 修了者による助け合いの輪

 

事業化にあたっては、財源と人材の確保に十分な見通しをもって臨んだ。事業費には市区町村からの運営委託費と利用者からの利用料が充てられるが、当面これだけでは採算に乗らないため、事業化に先立って「介護サービス事業基金」として五億円を積み立てた。「三年間は持ち出し覚悟」(筒井さん)で、その間の赤字分は基金を運用して補う。

人材の面では、全労済がこれまで養成してきたホームヘルパーが力を発揮する。全労済では九二年から各県で、九五年からは東京都の指定講習団体としてホームヘルパー養成講座を実施している。現在、ヘルパー二級と三級、体験介護教室の三つの課程の講座を全国で展開中だ。講座開始から今までに資格を取得した人数は、ヘルパー二級が七七五人、三級が四七八一人。合わせて五〇〇〇人を超えるヘルパーを育てており、厚生省が新ゴールドプランで示しているヘルパー数の五%に当たる八五〇〇人を全労済で養成する計画だという。

今回の事業化は単なる事業領域の拡大という面にとどまらず、組合員やヘルパー養成講座修了者との協同作業によって、新たな助け合いの活動を地域に根付かせようとの意味合いもある。全労済ではこれまで講座修了者による「友の会」と「助け合いの会」を組織してボランティア活動を行ってきたが、今回の事業化と連動して両会の活動にも力を入れていく。

 

 

 

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