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「心のふれあい」を大切に地域に見合ったサービスを提供

 

全労済(全国労働者共済生活協同組合連合会)は、一九九八年一〇月から札幌市白石区でホームヘルプサービスをはじめた。翌十一月からは横浜市港北区で、そして、この春以降、東京都江東区、長野市、清水市、仙台市青葉区、鹿児島市、富山市、宮崎市で相次いでサービスを開始した。

ホームヘルプサービスの内容は身体介護と家事援助の二つ。このほか、介護の方法や住宅改造などについての相談にも応じる。札幌市ではこれに「心のふれあいサービス」が加わった。このサービスはお年寄りの話し相手や悩みごとの相談相手になること。人と接する機会が少なく、孤独になりがちな高齢者の心の支えになろうとはじめたものだ。富山市では「下支えサービス」も行う。これは冬場の雪囲いや除雪、庭木の手入れなど暮らしに直結する家事以外のサービスを代行するもので、この地域特有のお年寄りのニーズを汲み取るきめ細かいサービスだ。

利用料金は地域によってさまざま。身体介護は一時間当たり一三〇〇円〜二〇〇〇円、家事援助は九五〇円〜一六〇〇円と幅があり、同じ首都圏の中でも横浜市港北区では身体介護が一四〇〇円、家事援助が九五〇円、東京都江東区では身体介護が二〇〇〇円、家事援助が一五〇〇円と開きがある。

料金が異なるのは、すでに近隣の市区町村でサービスを実施している民間企業などの利用料金を考慮して決めているためだ。今回のホームヘルプサービスの事業化に当たっては、「全労済という全国的な非営利団体が行うだけに、近隣の事業者への影響も少なからずあるだろう。したがって、すでにサービスを提供している民間企業や住民グループとの意思疎通を図りながら取り組んでいる」と、生活創造事業部次長の筒井一彦さんは話す。

すでに利用実績のある札幌と横浜の利用者数は、九九年二月末現在、札幌で七人、横浜で一七人。家事援助の利用者が多く、札幌では「心のふれあいサービス」を利用した人が一人いた。

 

 

 

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