堀田 実際、変わってくると思いますよ。あなた方が全部やれるんじゃない。法律に書いてあることしかやれないということをまず認識してもらって、でも全部があなた方の責任じゃない、やる主体は本来国民、住民であると、官民双方にそうした意識が浸透することが非常に大事ですね。
加藤 もともと役人は常に書いたものに従って画一的にやるのが宿命ですから、仕切ろうとするのはいつの時代でも同じです。設置法の見直しも、大化の改新以来ずっと今のような仕組みだったならやりません(笑)。千年続いてきた制度なら、それなりに合理性があるでしょうし。ただ、官と民がこのような関係になったのはせいぜい百年余りです。制度を変える余地は大いにあります。それといまは、人の行き来が国境を越えて格段に頻繁、流動的になって、情報がグローバルに飛び交っていますから、時代の流れは速いです。
堀田 望むらくは大蔵省が一気に変わってくれれば、従来の仕組みから一挙に変わるんですが(笑)。どうでしょう大蔵は変わりますか?
加藤 むしろ地方自治体からやるほうがよっぽど変わりやすいだろうなあと思いますよ(笑)。たとえば税金の話などは、目の前にある重要な問題で、一〇年たてば、なんてのんきに言ってられません。