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例えば、50人の中で相互に暗号通信をおこなおうとした場合、各人は合計で1,225個(50C2の組合わせ)もの鍵を管理しなければならないことになり、人数が増えるに従ってこの数は急激に増加していく。

 

2] 公開鍵暗号方式

こうした欠点を解決する暗号方式として開発されたのが公開鍵暗号方式であり、現在最も広く普及し、実質的な業界標準になっているRSA(1978年に発表され、発明者であるRivest, Shamir, Adlemanの頭文字をとって命名された)が代表的な公開鍵暗号方式である。また、それ以外には、Elgamal、最近注目されている楕円暗号方式、そして日本で開発されたE-SIGN等がある。この暗号方式では、例えば利用者Aが、不特定者Xとの間でデータを暗号化して送受信したい場合、利用者Aしか知らない秘密鍵と、不特定者Xに対して公開する公開鍵をペアで使う。そして、不特定者Xは誰でも公開鍵でデータを暗号化して利用者Aに送信することができ、その暗号化されたデータは、秘密鍵を持っている利用者Aのみが復号化できる、という形で使用する。なお、反対に、利用者Aが自分だけしか持たない秘密鍵を使用してデータを暗号化することも可能であるが、この場合には不特定者Xは皆、公開鍵を使用して、この暗号化されたデータを復号化できるので、本来の暗号化の目的からは意味をなさない。この利用者Aが、ある特定の相手Bに暗号化してデータを送りたい場合、今度はBの公開鍵を使用して暗号化することになる。

このように、復号化するための鍵を利用者A自身が厳重に管理すればよく、相手側に知らせる必要がないことで、共通鍵暗号方式に比べて鍵の管理が安全になるという利点がある一方、暗号化・復号化の処理に時間がかかるという欠点がある。

 

 

 

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