日本財団 図書館


9.2 その他の救命・応急処置

9.2.1 出血

1] 出血したときは、傷口にタオル、ハンカチ、ガーゼ等を直接当て出血が止まるまで圧迫する。傷口を心臓より高い位置にすると効果があがる。

現場での被災の場合は、傷口が汚染されることが多いので水道水等で傷口を良く洗い清潔な状態にすることが大切である。

2] 圧迫だけで止血できないときは、止血帯を巻く。ネクタイ、タオルを利用して(針金や細いひも等の幅の狭いものは使用してはいけない。)傷口よりも少し心臓に近い部位に堅く二重に回して半結びにすること。

次に棒やスパナ等を結び目においてから本結びにすること。棒やスパナ等を回転させて、血が止まるまで締上げたあと固定すること。止血帯を巻いた時刻が誰にでも分かるように、巻いた時間や部位をサインペン等で書いておくことなどが必要である。

 

9.2.2 感電

被災者がまだ電気設備に触れている場合は、すぐに電源を切る。電源を切れない場合には、乾燥した清潔な長い絶縁体を使って、被災者と電源を引き離す。被災者を電源から離したら、必要に応じて心肺蘇生法を行うこと。

たいしたことがないようでも、身体の内部でひどい火傷を負っていることがありうるので必ず医師の診察を受けること。

 

9.2.3 酸素欠乏症

酸欠の疑いがあるときは作業を直ちに中止して新鮮な空気の所に退避すること。酸欠で被災した者を救出するときは必ず保護具を着用して行い、被災者を新鮮な空気の場所に移すこと。

呼吸停止の場合には、直ちに人工呼吸を行うこと。酸素吸入を行い保温に注意すること。

救急車を呼ぶなどして一刻も早く医療機関へ運ぶこと。

 

9.2.4 熱中症

熱中症とは、高温環境下で発生する障害の総称である。日射病は、炎天下に長時間、頭部や首の後ろ等に直射日光を浴びたために起こる障害で、体温は正常である。熱射病は、高温多湿の環境に長時間いることで、体の中に熱がたまって起きる障害で、体温の著しい上昇を伴い、命を落とすことも少なくない。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION