前式においてΣPC は、主機潤滑油電動ポンプ、通風機等連続して使用される負荷(連続運転負荷)の各需要電力(入力)の総和であり、ΣPI は、ビルジポンプ、雑用水ポンプ等連続して使用されない負荷(断続運転負荷)の各需要電力(入力)の総和となる。
例えば、表1貨物船の電力調査表(例)において航海中の連続運転負荷の需要電力ΣPCは 279.2KWであり、断続運転負荷の合計需要電力ΣPI は95.9KWとなる。
不等率
ビルジポンプ、雑用水ポンプ等の断続運転負荷の個々の需要電力は同時に起こるものでなく、その発生は時間的差がある。
従って、断続運転負荷のうち同時に運転される可能性のある負荷の各需要電力の和(総合最大需要電力)を推定する必要があり、その決定には次に定義される不等率が考慮される。
総合最大需要電力には断続運転負荷のうち同時に運転される可能性のある負荷の各需要電力の和であり、各断続運転負荷の最大需要電力の和は断続運転負荷の合計電力であるから不等率は1より大であるのが通例である。従って、前式のχΣPIは断続運転負荷のうち同時に運転されることが予想される負荷の需要電力の和(断続運転負荷需要電力)となる。
例えば、表1貨物船の電力調査表(例)において航海中の断続運転負荷需要電力χΣPIは48.0KWである。
不等率の決定には船舶の運転状況を正確に把握しなければならないが、χΣPIの代わりに断続運転負荷のうち最大出力の電動機及びこれと同時に運転されることが予想される負荷を加算する方が妥当な場合が多い。
不等率は本来船の種類、運転状態、構成等によって異なってくるものであるが、概数的に算定する場合は一般に2〜3であるとみなされている。