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(ii) インマルサットC型船舶地球局設備/高機能グループ呼出受信機及び高機能グループ呼出聴守受信機

一般に無指向性の空中線が使用され、その空中線は設備の性能の重大な低下を招かないように船首及び船尾方向において仰角-5度から90度まで、さらに、左舷及び右舷において仰角-15度から90度までの範囲にシャドーセクターが2度を超える障害物がないような位置を選ぶ。無指向性の空中線は、空中線から1m範囲以内にある物体で、2度を超えるシャドーセクターを生じさせるものは、設備の性能を大きく低下させるおそれがあるので注意する必要がある。

指向性の空中線(インマルサットA又はBと同様のもの)を使用する場合は、インマルサットA型と同様に考えるのがよい。

(e) その他の機器の空中線の装備設計要領

(i) GPS、NNSS

測位装置用受信空中線は周囲に障害物の無い高いところに取り付ける。

周囲に障害物があると仰角の低い衛星の受信ができないので、測位可能時間が減少する。

配置の計画を行うときは、他からの妨害を減少するために以下の点に注意すること。

・他の受信空中線から1m以上離す。

・VHF空中線から2m以上離す。

・送信用空中線から4m以上離す。

・レーダー空中線の送信ビーム範囲(垂直ビーム幅30度の範囲)を避ける。

・インマルサットの空中線から3m以上離し、かつ、その送信ビーム範囲を避ける。

(ii) 無線方位測定機用空中線

1] 枠型空中線は、他の空中線、金属製揚降索又は金属製の構造物からできるだけ離し、なるべく最上部に設置すること。

2] 磁気コンパスより可能な限り3m以上離すこと。

3] 枠型空中線から15m以内にある送信用空中線は、方位測定時に切り離せるようになっていなければならない。

(3) 空中線の配置例

空中線の配置について一般的配置要件及び空中線の種類ごとの配置要件等について述べてきたが、ここで実際の配置例を示す。

図3・16及び図3・17に示すように、レーダーマスト頂部には、レーダー空中線、無線方位測定機用空中線、インマルサットC用空中線等がひしめくように配置されていることが多く、各空中線の性能を100%満足させることが困難な場合があるので、実際に空中線の配置を検討する際は、空中線配置図を作成し、船主あるいは運用者さらに無線機器メーカーとの打合せを行って配置の決定を行うのがよい。

ここには、3・3・2の機器配置で示したものと同じ構成の場合の配置例を図3・16及び図3・17に示す。

一例として、インマルサットCと無線方位測定機との位置関係について、無線機器メーカーが推奨しているものを図3・18に示す。

 

 

 

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