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図4・20 スロットの空中線の構造

 

4・4・2 導波管と同軸管

送信機から空中線への伝送線路としては、5GHzと9GHzのレーダーでは導波管が用いられているが、周波数が3GHz以下になると同軸管が多く用いられている。これは、周波数が低くなるに連れて導波管の寸法が大きくなるためである。一方、同軸管は中心導体を中心位置に保持するため、外部導体との間に誘電体を入れる必要があり、このため、3GHz以上の周波数になるとこの誘電体による損失が多くなり、また、その損失による発熱のため、扱い得る電力も限られてくるからである。そこで、この損失の原因となる中心導体を取り去り、中空の金属管として、マイクロ波の伝送線路にしたものが導波管であり、伝送中の損失が少なく、かつ大電力を扱うことができる。

導波管及び同軸管については、基礎理論編第3章の4・5節と4・4節に記述してあり、また、それらの取扱いについては、装備艤装工事編第3章の4・5節と4・6・1項に述べられているので、これを参照されたい。

4・5 受信機

レーダーの受信機に求められる性能は、空中線で受けた微弱なパルス信号を増幅してCRTに表示するのに充分な振幅を持つ映像信号を作ることにある。一般の受信機の性能では、選択度、感度及び忠実度が重要であるが、レーダーの受信機では、必要条件として下記のことが要求される。

 

 

 

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