二個のダイオードは、それぞれの極性を間違えないように取り付けること。また、交換する場合には、特性のそろった二個を選んで一組として、使用したほうがよい。
ダイオードの良否はテスターの抵抗レンジ(指示値の 100倍以上で読み取る。)で測定して、ダイオードの正方向の抵抗値が 300〔Ω〕以下で、正逆の抵抗比が20倍以上のものを一応の使用可能の目安とする。
(9) サイラトロンやクライストロンを使用している機器では
(a) サイラトロンは、ガラス管の内壁が黒く見える間はまだ使用できるが、白くなったものは寿命の終わりが近いと判定して、ソケットから注意して取り外し交換する。
(b) クライストロンには約 250Vのリペラ電圧がかかっているので、レーダーの電圧を切ってから、これを放電させた後に手を触れるようにする。
(10) 箱体及びケーブルの接地が確実に行われていることを確認する。
接地線の取付部分は、年月に従って各接触面が汚れたり腐食したり、あるいは締付ねじが緩んだりして、だんだんと接触状態が悪くなるものである。したがって、外見で判断するだけではなく、数点の接地線の取付けを外し、もし接触面が汚れているようであれば、その区域の全部の接地線を外して接触面を磨き、再度確実に取付けること。
4・6 表示器(指示器)の点検整備
4・6・1 新設時の点検整備要領
新設時には4・6・2項の定期点検の内容のほかに、設置場所などの以下の項目についても点検整備する。
(1) 磁気コンパスへ影響を与えないように、レーダーの各ユニットに表示されている安全距離が守られているか。
(2) 操作者が船首方向に向かってブラウン管面が観測できるように設置されているか。
(3) 箱体の据付けのために無理な締付けを行って、箱体がひずんでいないか。
(4) 振動の少ない場所に設置されているか。
(5) 箱体やケーブルの設置は確実になされているか。
(6) ケーブルは導入口付近で箱体に固定され、接続端子板への配線は整理されて結束されているか。また接続に誤りはないか。
(7) 船室の窓や扉からの水しぶきが直接掛からないような位置に設置されているか。
(8) 装備後の点検を容易にするために、指示器を前方に引き出せるようなスペースを確保し、かつ、配線にゆとりが取ってあるか。
(9) ケーブルの接続に誤りはないか。