必要以上に加熱すると、フラックスが溶ばいの役をなさなくなったり、導波管にひずみを生じたりして、失敗することがあるので注意を要する。
(e) フラックスの残りかすは、銀ろうが固まり、ろう付け部分が冷えきらないうちに清水に浸して、ワイヤブラシで除く。このフラックスが残っていると腐食のおそれがあり、また、フラックスを取り除かないと、ピンホールがあっても発見できず、後日水漏れの原因となる。ただし、このとき急冷するとひび割れが発生するので注意を要する。
なお、使用する銀ろうやフラックスの種類によっては、水洗いの前に酸洗い(比重1.1位の硫酸液)が必要なものもあるので、銀ろうとフラックスの使用書に十分注意し、それに従うこと。
(f) 冷却後、フランジ結合部の面がフラットであるか確認し、必要あれば若干やすりやサンドペーパーで修正する。
(g) ろう付け部分に、ピンホールがないか入念に調べ、気密テストを実施する。
3・5・3 気密テスト
(1) 運輸省の検査基準(検査の方法)
導波管に0.5〜1.0?/cm2の圧力を30分以上掛け気密試験を行い、内気圧が10%以上減少しないことを確かめる。
(2) 作業手順
(a) 空中線と導波管とを分離し、パッキングゴムを介して、めくら板を取り付ける。
(b) バルクヘッドフランジの屋外部(通常この箇所にテフロンシートが挿入されていてEベンドかHベンドで水平方向に曲がっている。)のベンドを取り外し、ここから空気を送り込む。(図3・7参照)
(3) テスト完了後、取り外した箇所の復旧作業を行うわけであるが、接続を慎重に行わなければこの箇所から浸水することが考えられる。
ガスケットとテフロンシートを忘れずに挿入すること。