また、一般にマイクロ波が高さhaの空中線Aから送信されて、高さhtの物標Bに達するには、図8・11のようにBの直接波とC点で反射する大地反射波との二つの経路を通って伝搬をし、これは物からの反射波の場合も同様である。この二つの電波の通路の長さは当然異なっているので、二つの電波の到来の位相が異なってくる。したがって、これら二つの到来電波の合成値は、もし両電波の位相が 180°異なったときには互に打ち消し合い、同相のときには合成されて強められることになる。このようすは幾何学的な通路長と使用電波の波長、さらには反射点で電波の位相が、180°変化することから求められる。一般的に直接波は反射波より強いので、位相の干渉によって電波の強さがゼロになったり、二倍になったりすることはないが、いずれにしてもマイクロ波の空中線からの距離と高さによって受信電波が最大値を取ったり、最小値を取ったりする領域ができる。