参考 : バイポーラ(Bipolar)とは、「二つの極性」という意味があり、動作として電子の正孔の両方を作るのでバイポーラという。これに対して、電子か正孔かのどちらかだけの電流を運ぶ役目をするもユニポーラ(Unipolar)といい、MOSがこれにあたる。
6・4・1 TTL
TTLはデジタルICのうち現在最も広く利用されている。TTLの特長としては、動作速度が速い、品種が多い(ファミリーが豊富である)、使いやすいなどがあげられ、欠点としては消費電力が大きい、電源電圧に対するノイズマージンが少ないなどがあげられる。世界中のメーカーからTTLが出されているが、アメリカTI(Texas Instruments)社の54/74シリーズが現在のTTLの大勢を示している。他社のTTLはこのシリーズと互換性をもたせたものが多いので54/74シリーズについて述べる。54/74シリーズのファミリには次の5種がある。
標準形…………………… SN54/74シリーズ
高速形…………………… SN54H/SN74Hシリーズ
低電力形………………… SN54L/SN74Lシリーズ
ショットキ形…………… SN54S/SN74Sシリーズ
低電力ショットキ形…… SN54LS/SN74LSシリーズ
TI社では74シリーズは一般工業用として0℃〜70℃の範囲の動作を保証している。
54シリーズの方は-55℃〜125℃の範囲の特性が保証されている。
一方、日立製作所の74シリーズでは-20℃〜75℃の範囲の動作を保証している。このようにメーカーによって規格の異なる点が若干あるので、使用の際にはカタログで確認した方がよい。
これら5種類のファミリは、それぞれが互換性があるばかりか、代表的な特性も共通である。
供給電圧 5.0V
論理“0”出力電圧 0.2V
論理“1”出力電圧 3.0V
雑音感受度 1.0V