図3・5に戻って、導波管内では電波は斜めに進行すると考える。このとき、電波の波長λは、図3・5又は図3・8の進行方向において、その位相が 360度変化する距離に担当する。しかし、導波管側から見ると、導波管の長さ方向に対してλより長い距離λgで位相が 360度変化をすることになる。このため、導波管の管壁で求めた波長を管内波長λgと呼び、λ≦λgと管内波長の方が長くなる。電波の管壁への入射角をθとすると、
λ=λg sinθ
という関係が得られる。この場合、導波管の中での位相の進む速度VP はVP=C/sinθ(Cは光速度)となって、光速度よりも速くなるが、これは同じ位相の点が動く速さという意味で実際の電波のエネルギの伝送速度ではない。このVPを位相速度という。これに対して、エネルギの伝送は群速度Vgで伝わり、これはVg=Csinθと逆に光速度より遅くなる。
注 : aは導波管のX方向(長い方)の内寸法