(c) 等価温度試験による温度推定法
実負荷法又は零力率法によらないで、温度上昇を推定する方法で、鉄損温度上昇試験及び抵抗温度上昇試験により行う。
(i) 鉄損温度上昇試験
発電機を定格電圧で無負荷運転を行い、各部の温度上昇を求める。この時の上昇値を下記の値とする。
電機子巻線 ; t0
電機子鉄心 ; tco
界磁巻線 ; tf'(界磁電流If')
(ii) 抵抗損温度上昇試験
発電機の端子で三相短絡を行い、定格電流を流し、定格速度で運転し各部の温度を測定する。
この時の温度上昇値を下記の値とする。
電機子巻線 ; t'
電機子鉄心 ; tC'
界磁巻線 ; tf"(界磁電流I"f)
(iii) (i)、(ii)の温度上昇値を得ると、全負荷時の温度上昇は次のように推定する。
ただし風損による温度上昇値が無視できない場合は、上記の和による温度上昇から、風損による温度上昇を引き、界磁巻線に対しては、測定値から風損による温度上昇を引いたものを、電流の2乗で補正し、その値に風損による温度上昇を加えればよい。なお上記で算出した界磁巻線め温度上昇値は、磁極表面損の影響で、一般に高く算出される。このため界磁巻線の温度上昇値をさらに正確に求めるには、次のようにするとよい。
定格電圧のほかに、定格電圧の20〜30%高い電圧(全負荷界磁電流に相当する、無負荷誘起電圧近くの値)で鉄損温度試験を行い、次の式で全負荷時の界磁巻線温度上昇値t3を算出する。