また工作機械は金屑や木屑が侵入するおそれが多分にあるので一般に全閉外扇形とし、電動機の両軸端に回転砥石が取り付けられるグラインダーのように構造上外扇を設けることが困難な場合は全閉自冷形を採用する。
なお、現在では、比較的小容量の電動機は全閉外扇形とすることを標準としているメーカーが多く、これらの電動機を防滴形とするとメーカーの標準から外れるため、かえって高価となることもあるのでこの点にも注意して外被の選定をする必要がある。
電動機の絶縁抵抗の低下を防止するために、電動機が休止中にのみ自動的に通電するようにした乾燥用ヒーターを設ける場合があるが一般にはかじ取機用電動機、ウインドラス、係船機などの甲板機械用電動機、荷役装置用電動機などに設けられているようである。
乾燥用ヒーターには電動機の巻線に微弱電流を流して電動機内を加熱する方法と電動機内へスペースヒーターを設けてこれにより加熱する方法とがあるが後者の方が多く用いられ、その適用は造船所によりまちまちである。
また、ヒーターへの給電の方法については電動機の始動器の中へ降圧トランスを設けて始100V(又は220V)系から給電する方法とがあるがこれも造船所により適用はまちまちである。
(2) 誘導電動機の始動方法
(a) かご形誘導電動機
かご形誘導電動機では巻線形のように外部抵抗器を二次側に接続して始動電流を制限することができないので始動電流は一般に大きく、電動機定格電流の5〜7倍程度の値となる。かご形誘導電動機の始動方法は次のように分類される。
かご形誘導伝導機の始動方法は次のように分類される。
(i) 全電圧始動
直入始動であって、広く使用されるが、始動電流が大きい反面、大きな加速トルクが得られ、始動時間は短い。
(ii) スターデルタ始動
始動電流、始動トルクがいずれも全電圧始動の1/3になる。
始動回路は図2.17に示されたとおりであり最初コンタクターAを接にすると次いでコンタクターBが接になり電動機はスター結線で始動し電動機がスター結線における全速度に達するとコンタクターBが断となり次いでコンタクターCが接となって電動機はデルタ結線となり始動を完了する。