電池式絶縁抵抗計は手回し発電機の代わりに乾電池を電源とし、電池電圧をトランジスタ発信回路、変圧器、半導体整流器などから構成されるDC-DCコンバータにより100〜2000Vの直流電圧を発生するようにしたものである。
これは、指示計に稼働コイル比率計器を使用したものと可動コイル計器を使用したものとがある。
可動コイル比率計器は発電機式絶縁抵抗計とほぼ同じ原理であり、可動コイル計器は図8・30のようにDC-DCコンバータにより得られた測定電圧を被測定抵抗Rxに加え、流れる電流を指示計で測定しRxを指示させるようにしたものである。
この方式は、測定電圧の変化がそのまま測定誤差に結びつくので、測定電圧を安定なものにしなければならない。
このためツェナダイオードZD(定電圧ダイオード)を用いて一定な直流電圧を得ている。
船舶では普通500(V)絶縁抵抗計が使用される。1000(V)級以上の高圧機器には1000(V)又は2000(V)絶縁抵抗計が用いられる。
また、電池式絶縁抵抗計は発電機式に比べて小形で軽く操作も簡単で、機械的接点がないため故障が少ないなどの長所がある。