このベクトル図を描けば図3・21のようになる。これは中性点が右によったことになる。
図3・21はこのことを示す。よって、V30>V20となり1-2-3の相順では、L2の電球がL1の電球より明るくなる。
注意事項 :
誘導リアクタンスXLの代りに容量リアクタンスXcを用いたとすれば、以上の関係は反対になることに注意を要す。
3・12 電流力計形力率計(三相式)
配電盤用として使用されているもので、電流力計形と可動鉄片形の2種あるが、ここでは電流力計形について概略を説明する。
図3・22において、Fが固定の電流コイル、M1、M2、M3は可動電圧コイルである。これらの電圧コイルは、Fの磁界内にあって120゜ずつの角度で配置され、同一軸に取付けられ、指針が図のようについている。そして、各コイルに抵抗Rが接続されていて、かつ、これらはY形結線をして、その末端は三相の線間に接続された電圧コイルである。Fコイルは三相中の一相に直列に接続され電流コイルとなる。
M1、M2、M3の3個の電圧コイルは、120゜ずつの相差があるから、三相誘導電動機の固定子線輪のように一つの回転磁界を形成することになる。したがって、コイルFの作る電流によった交番磁界と可動コイルの作っている電圧によった回転磁界との相互作用によって、この可動コイルは電流と電圧との間の相差に応じた位置に停止するから、これに取付けた指針は目盛盤上に力率を指示することになる。