2・8・5 可逆運転サイリスタレオナード装置の結線方式
可逆運転を要する直流電動機の速度制御用としてサイリスタレオナード方式が採用される場合、その装置には種々の主回路結線方式があるので、その電動機に要請される運転性能や逆転の迅速さ及び経済性などを考慮し、最も適した結線方式のものを選ぶことが望ましい。可逆運転用のサイリスタレオナード装置の主回路結線方式として代表的な基本形を次に示す。
(1) 十字結線方式
サイリスタ整流器は正転用と逆転用にそれぞれ一組、都合二組を備え、それぞれは変圧器2次側の別々の巻線に接続される。電動機の逆転操縦の際、電機子電流が正方向から負方向に円滑に変換できるようにするため、逆転用サイリスタを正転用サイリスタとほぼ等しい平均直流電圧でインバータ運転(2.7.2(2)c-iii項参照)の状態に保たれる。