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改良形並列インバータの回路は図2.103に示すように、並列インバータの無効負荷電流に対する動作機能を改良するためにフィードバックダイオードと称しているD1、D2のダイオードを挿入した点が特徴的である。誘導性負荷電流は電圧が零となっても流れ続けようとするので、例えばサイリスタS1がターンオフしても負荷電流の遅れ無効電流分ILに対応して一次巻線にIL2が流れようとする。この電流に対しダイオードD2が導通してこの無効電力を電源に送り返すように働く。

 

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図2.103 改良形並列インバータの結線図

 

また、この回路では遅れ力率の負荷のみでなく、進み力率の負荷もフィードバックによって補償することができるので、転流コンデンサCの容量を小さくすることができ、また、無負荷から全負荷に至るすべての負荷状態で方形波出力電圧を出すと共に、サイリスタに異常に高い電圧がかかることがないので、性能、安定性及び経済性の点で非常に優れた回路方式とみなされ、広範に使用されている。

 

2・7・4 蓄電池充電用整流装置

 

船内の常用電源が交流である場合、蓄電池の充電は通常半導体整流器により行われるが、充放電の性能や、取扱い上の便宜さに対する要望の程度に応じて各種各様の充電装置が用いられている。充電用整流器は使用される半導体の種類によって大別するとダイオード式とサイリスタ式に分けられるが、浮動充電に使用されながら高調波ノイズを嫌う負荷(電話、拡声装置等)が接続される場合には、リップル電圧(直流電圧中に含まれる高調波電圧)を低減するために、直流出力側に適当な平滑回路かろ波回路を設けることが望ましい。

 

(1) ダイオードによる方式

 

本方式に於て出力電圧を調節するには整流器への入力となる交流電圧を変化させることを要し、そのために色々な調整法が実用されているが、最も簡単な全手動調整によるものから、電圧電流共自動制御によるものまで、必要に応じ選択して使用されている。これらの中、代表的な調整法とその結線を下記に示す。

(a) 手動電圧調整

図2.104は三相交流を電源とし三相全波ブリッジ整流回路による概略結線を示しているが、容量が小さい場合には単相整流回路が用いられることが多い。結線及び部品構成は最も簡単であるが、調整は電圧計、電流計を見ながら手動でトランスのタップ切り替えにより行われる。

本結線方式は充放電交互切替式の蓄電池の充電用に採用されることが多い。

 

 

 

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