(b) 単相直巻整流子電動機
構造、特性ともに直流機の直巻電動機と類似であって、小容量では4,000〜10,000回転毎分の高速に達する。
図2.56において、Cは補償巻線で整流作用に悪ければ、これを設ける。この形は交直両用に使用できる。変圧器のタップを切換え、又直列に接続した抵抗器によって、速度調整をすることができる。
(3) 単相同期電動機
(a) 電気時計用同期電動機
普通用いられるものは自始動式の回転界磁形電動機である。回転子の回転速度は周波数に比例するから50〔Hz〕では毎分3,000回転、60〔Hz〕では3,600回転する。消費電力は2、4、6、12〔W〕の4種で力率は50〔%〕前後である。回転力は夫々400、800、2,400、4,800〔g-cm〕である。
(4) シンクロ電機
シンクロ電機は単にシンクロ(Synchro)とも呼ばれ、また、俗称としてはセルシン(Selsyn; Self-Synchronizing motorの略、米国G.E.社の商品名)の名で古くから広く知られている。シンクロは同期的な動作や、同期位置に関連した電気信号を与える一種の交流精密回転機で、一次巻線(励磁巻線)と二次巻線(出力巻線)との角度位置によって、二次電圧の大きさが変化することを利用した回転←→電気信号の変換器の一種とみなされる。その代表的なものの構造を図2.59に示す。
JISC4906(シンクロ電機)では角度信号の伝達、指示などの目的に用いるシンクロ電機で、周波数50Hz及び60Hz共用、交流電圧250V以下の電路に使用されるものについて規定している。
シンクロは通常ほぼ同じ構造の発信機と受信機とを組み合わせて使用するが、その使用目的によって機種、結線等が下記の如くそれぞれ異っている。
図2.57 シンクロ構造